人知れず怪物が生まれ落ちる街がある。
世界有数の怪物のなかで、最も残忍で最も美しい心を持った怪物がオックスフォードに生息している。名前はradiohead。
凶悪に牙をむいたかと思えば、美しい鳴き声で優しく人々を包み込む。世界の狂気や絶望を飲み込み、すくすくと成長している。
radioheadの5人いる飼育員の1人に、トム・ヨークという男がいる。男は物心ついた頃から毎日radioheadの為に歌を聴かせ、ギターをかき鳴らし、時には踊ってみせたりしている。
やがて怪物が子供から大人になり、男もそれに合わせるかのように子供から大人になった。
ある時、男は疑問を抱いた。
「一体いつからオレはこいつの為に歌を歌ってやってるんだ?どんな理由があって、ここでこうしているんだ?こいつはどこからきたんだ?」
初めは豆粒程の疑問だった。男の心を埋め尽くすまでには時間はかからなかった。
そして人知れずオックスフォードに新たなる怪物が生まれた。
それは人知れず男の心から抜け出した新たなる怪物。
名前をEraserという。